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夢の実現に向けてさらなる一歩を (2-1)

第2回日本舌側インプラント矯正研究会

この研究会は私たちにとって、非常に重要な会でした。
なぜなら、この会を成功させることが、我々が長年開発してきた歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)を世に普及する、一歩につながるからです。
私も共同開発者の岡田医材・岡田社長も、開発元の河野製作所の方も、販売元のクラウンジュンコウノの方も必死です。何度も打ち合わせを行いました。
幸いなことに、9月に行われた第8回アジアインプラント矯正学会での講演と、11月の日本矯正歯科学会での発表、そして日本矯正歯科学会専門医の合格が功を奏したのか、多くの先生方にいらしていただくことができました。
私はできるだけ分かりやすい内容に心掛けました。そのため臨床頻度の高い症例を選んでスライドを作りました。これは前回の講演で座長のエリック・リュー先生から、複雑で難しい症例より簡単で臨床にすぐに役立つようなものを提示したほうがよいというアドバイスをいただいたからです。
それから実際の手術時の動画と手術方法のマニュアル作り、そして前回発表したスライドはかなり早口でしかも英語での発表だったため、今回は詳しく解説することにしました。
さてビデオ編集のため、撮り貯めておいたビデオを見ると全然ちゃんと撮れていない。唯一撮れているビデオをみても画面が揺れて船酔い状態に。
撮り直したいけど手元に歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)は残っていない。編集して何とか見られるものに。ビデオをスクリーンショットして手技マニュアルの作成。
そんなこんなでバタバタと時間が過ぎて行きました。
 


研究会当日

余裕を持って会場に着くつもりが、ちょっと職場によったらそこで捕まり、気づくと15分前に。
「やばい、準備がぎりぎりだぁー」
到着するとほとんどの聴講者の方はスタンバイOK。
某国立大学の教授から、いろいろなセミナーをしていらっしゃる著名な先生方や、某研究会の大御所の先生方、ほとんどが私より年配の強面の先生達だらけ。
「これから3時間、この強面の先生方の前でうまくやっていけるかなぁ」
ちょっと不安な気持ちになっていたとき
「先生お酒好きだからワインもってきたよ。ワインは値段が分からないからいいよね。ははは・・・」
とある先生が差し入れをしてくれました。そのやさしい心遣いに高ぶった感情は一時的に平常に。
遂にセミナーが始まりました。
「皆さま本日はご出席頂きありがとうございます。今日はざっくばらんな会ですので、気楽な気持ちで受けて下さい。私は一開業医ですので、逆にいろいろ教えて頂ければと思います。・・・・・・・・・。とりあえず御手柔らかにお願いします」
さすがにこれだけの著名な先生方を相手にするとなると、とりあえず友好関係の構築から。
「くわばら。くわばら」
と友好関係を築いたつもりが、開始から5分もしないうちにビシビシ厳しい質問が。
「ヒー!おっかないよぉー」
何とか笑いを取り混ぜながら
「友好関係。友好関係」
「あせらない。あせらない。落ち着いて。落ち着いて」
一つのスライドが終わると、質問が矢のように降ってきます。
まさに、質問のマシンガン攻撃!
「ヒョエー」
そして、な、なんと、あの世界的に有名な建築家、アリ・ラヒム氏までもが出席!
本当は横浜に行きたいって言っていたのに・・・・
僕の作ったアンカースクリューをいじって、ニヤニヤ笑っていました。
やがて時間が経つにつれ、セミナーはだんだんとアットホームな感じになっていきました。
「ほっ」
この後の懇親会には予想以上にたくさんの先生方に出席していただきました。本当にありがとうございました。
セミナーの時、
「先生、僕のこと覚えてる?」
とある先生から言われました。
「もちろん覚えていますよ。佐藤先生ですよね。今日は遠い所からいらしていただき、ありがとうございました」
とお答えしたのですが、なぜかその先生は無反応で、すごすごとお帰りになられました。
「??????」
懇親会の時
「先生やっぱり、僕のこと覚えてないでしょう」
と言われ、よくよく見ると、な、なんと専門医試験の時私の口頭試問をしていただいた審査委員長ではありませんか
「さ、先程は失礼しました。佐藤先生と言ってしまいました。私の日本矯正歯科学会専門医試験の時の審査委員長ですよね」
「やっと、思い出してくれた。
ところで先生、何で僕がここに来たかわかる。僕は先生の日本矯正歯科学会専門医の時の症例を見て、どうやって治したか教えてもらおうと思ってここに来たんだよ。日本矯正歯科学会専門医試験は非常に厳格なものだから一切名前が分からないようになっているんだよ。私は先生の症例を見たとき、久しぶりに凄い奴が現れたなって思ったんだよ。先生の症例、人が集まって結構話題になっていたんだよ。
結果発表が終わってすぐに先生の名前を調べたんだよ。それからホームページを見て、ここで今日セミナーをやっていると知って、すぐに応募したんだよ。私は本気で先生に弟子入りさせてもらおうかと思っているんだよ」
「めっそうもございません。私のような若造に」
なんだか大名と農民のような会話になっていました。
その先生はいろいろなセミナーで講師をしている超有名な先生です。今まで海外の著名な先生方のもとで勉強されてきたそうです。当時世界一の臨床家と言われていた先生の愛弟子だったそうです。その先生のもとに直接教わりに行かれたそうです。
私はこんなに立派な先生に弟子入りしたいと言われて、凄くうれしかったのですが、逆にこの先生は凄い人だと思いました。
今までたくさんの勉強をなさって来て、自分の臨床はでき上がっているはずなのに、素直に良いものは良いと認められて謙り、素直に習おうという気持ちになれるなんて。たとえ気持ちだけだとしても、そんな気持ちになれるだけ凄いと思いました。
もし私がその年齢になったときに、はたしてそのような行動が起こせるでしょうか?
私は新ためて世の中には凄い人がたくさんいることを学びました。
横を見るとセミナーでマシンガン攻撃をしていた方が・・・・
「やばい!ここでもまた攻撃される!」
でも話をしてみると、ストレートに話をされる方だけど、とても素敵で良い人だと分かりました。この先生も都内で有名な舌側矯正の第一人者でした。
日本矯正歯科学会で私のポスターを見て、質問をしていただいた先生もいらっしゃっていました。

 
 

歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)を世界のスタンダードに

後日談ではありますが、某国立大学の教授から歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)を是非使ってみたいと、メールが届きました。私はその知らせに飛び上がらんばかりでした。
私は、日本は権威主義で閉鎖的な社会だから、私のような一臨床家の作ったものなんか、大学が認めてくれるはずがないと思っていたのです。
だから海外雑誌に論文をたくさん載せて、世界で認められた後に日本に逆輸入という形しかないと思って、今まで一生懸命やってきたのです。まさかこんなに早く日本の大学で注目されるとは。
その教授は非常に若い先生で私より少し年上の先生です。この年齢で教授になられたということは、いかに優秀な先生であるかが分かります。
その先生は非常に多忙な方で、わざわざスケジュール調整をしてセミナーに参加して頂きました。そして終わるとトンボ帰りでお帰りになられました。本物かどうかを実際に自分の目で確かめに来られたんだと思います。
どのような地位の人がどのような有名な機関で作ったかというような、地位や形に捕らわれず、自分の目でまっすぐに物事を見つめる、凄い人なんだと思いました。大学の教授が、なかなかできることではないと思います。
私が大学教授になることはありませんが、もし自分が教授だったら、偏見の目を持たずにここまでできるだろうかと思います。
本当に頭が下がる思いです。
私はこのような素晴らしい先生方と出会い、たくさんの勉強をさせていただきました。そしてたくさんの先生からお褒めの言葉と、そして厳しい意見を頂戴いたしました。
その言葉を胸に、歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)をもっともっと良いものにしていこうと決意しました。
私はこれからもたくさんの方々と出会い、いろいろ意見を頂き、そしてそのような方と一緒に歩んで行きたいと思います。
そしていつの日か必ず、歯科矯正用アンカースクリュー(i-station)を世界のスタンダードに!
 

 



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