見学・面接のエントリー

この仕事をしていて良かった - 患者様との感動エピソード -

ドクター




僕の担当の患者様で、小学生の男の子がいました。
反対咬合で悩み、相談に来た男の子は、矯正治療の説明を受け、治療をスタートすることになりました。
その子は、とてもまじめな子で、毎回しっかりと病院に通い、反対咬合を治す為の治療も一生懸命頑張っていました。そんな彼を見て、絶対に一緒に頑張って治していきたいなぁと思い、2人3脚で治療を進めてきました。

しかし、私たちの頑張りとは正反対に、歯の動きがとても悪く、僕が長年診た患者様の中に、こんなに歯の動きが悪い子はいないほどでした。僕は心配になり、大学病院を紹介し、そこで、一度診てもらう事を勧めました。

その病院で精密検査を受け、その子がある病気を患っていることが見つかりました。その病気が見つかったことで、矯正治療も中断せざるを得なくなってしまいました。彼の頑張りを見ていただけに、矯正治療を中断するのは残念でしたが、病気の治療に専念する為にも矯正治療の中断は最善な選択でもありました。

装置を外し、矯正治療にはもう通わなくても良くなったのですが、
その男の子は『矯正治療を止めてもここに通いたい!』と僕に伝えてくれました。
矯正治療をしていない子を引き受けることは通常ではないのですが、今回は、彼の希望を受け入れることが、彼の元気の源になるのではないかと思い、歯磨き指導と歯のクリーニングに定期的に通ってもらうことにしました。

病院にきて、楽しく話をし、歯のクリーニングをする。そんな日々が続きました。ある日は、松葉杖を使ってくる日や車椅子を使ってくる日もあったのですが、
それでも、『こんにちは!』と笑顔で来てくれる彼に、僕のほうが元気を与えなくてはならない立場なのに、元気と笑顔をたくさんもらいました。

たとえ矯正治療をしていなくても、心がつながっていられる・・・そんな職業に就けたことを誇りに思い、治療だけがDRの仕事ではないことに気がつかされました。



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